YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

それぞれの「金メダルへの道」 脳科学的に分析!

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

ここ数日、毎日、東京オリンピックの話題をお話ししていますので、今日は、日常生活の話題を…と思っていたのですが、連日の「金メダルラッシュ」を目にして感動すると、どうしてもそのことを書きたくなってしまいます。ご容赦ください。

というわけで、昨日も、スケートボードストリート女子で西矢選手が13歳10ケ月という日本人史上最年少での金メダル!

男子柔道73㎏級では、大野選手がリオデジャネイロ五輪に続き、オリンピック2連覇の金メダル獲得!

今大会から始まった卓球混合ダブルスでは、水谷・伊藤ペアが王者中国を破り、初代チャンピオンとなる金メダルをゲット!

3つの金メダルを獲得するという日本選手団の大活躍がみられました。

どの種目の金メダルの瞬間も素晴らしく、心からの感動を覚えるのですが、感動しつつも、職業柄ついついそこまでの「金メダルへの道」に興味がわきます。そこに、私なりの分析をしてみたので、今日はそのことをお話しします。

山の頂上を目指すときに、

「目指す頂上は同じでも、そのルートは様々である」

ということをよく言いますが、「金メダル」という頂上を目指す選手たちにも、そこを目指すルートはそれぞれだと思います。

今回の3つのメダルでは、スケボーの西矢選手と卓球の水谷・伊藤選手の「道」が似ていて、柔道の大野選手はまったく違うルートで金メダルにたどり着いたと感じました。

まず、西矢選手、水谷・伊藤選手の状況には、共通点があります。それは、大会前から「優勝候補No.1」というわけではなかったという点です。

もちろん、世界トップレベルの実力を持ち、真剣に金メダルを目指すアスリートではあるのですが、「追われる立場」というわけではなかったということです。

そんな彼女・彼らが頂点を目の前にしている時に、その脳に最も多く分泌されていたと考えられる神経伝達物質は、「ドーパミン」です。

そして、彼女・彼らのメンタルの状態は「メンタルヴィゴラス状態」にあったと考えられます。

「メンタルヴィゴラス状態」とは、脳内に大量のドーパミンが分泌し、心がワクワクしてすべてがうまくいくと感じている状態のことです。

そのことは、西矢選手、伊藤選手の試合中の表情や試合後のインタビューが示しています。

西矢選手は、

「世界の名だたる有名選手と一緒に演技出来て楽しかった。」

と語り、伊藤選手は、

「卓球協会の方々を始め、多くの方々に応援していただく中でプレー出来て、とても楽しくプレーできた。」

と語っていました。

また、時々笑みを浮かべながらプレーしている伊藤選手の表情から、まさにこれこそ「メンタルヴィゴラス状態」!と感じました。

かたや、柔道・大野選手の「金メダルへの道」は、全く違うルートをたどっています。

まず、前者との状況の違い。それは、大野選手は、「リオの金メダリスト」であり、大会前から「絶対王者」であったという点です。完全に終われる立場です。

試合後のインタビューで、

「リオからの5年間。たくさんのつらいことを乗り越えてきました。その5年間のつらさを凝縮したようなつらい一日でした。」

と語っています。

一日で初戦から決勝戦までのすべてを終える柔道の個人戦では、試合の時に100%の緊張感で臨めるように、試合と試合の合間はリラックスして過ごす選手が多いですし、メンタル的な原則としては、それが正しいとも言えます。

しかし、大野選手は、試合と試合の間の時間もまったく表情を変えず、常に緊張感を持続させていました。ここに、大野選手の「絶対王者」としての強さがあります。

大野選手の家には「粗野なれども卑に非ず」(原文ママ)と書かれた額があるそうで、それを常に見える位置に掛けているそうです。高校時代の恩師から贈られたものです。

大野選手の求めるものは、まさに「武士道」そのものです。

そんな、大野選手の脳内に最も多く分泌していると思われる神経伝達物質は、「アドレナリン」です。人類があらゆる生物の攻撃を逃れ、生き延びてくるために人の脳に備わってきた「逃走・闘争本能」。これを全開にした状態で試合に臨み、オリンピック2連覇となる金メダルをつかみ取りました。

どちらの道を歩むのもそれぞれのアスリートが選ぶ道。それぞれの素晴らしさがあり、それぞれの感動があります。その感動を味わいつつ、自分の生活に活かせるものを見つけていきたいと思います!

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。暑さ対策をしっかりと行い、素敵な一日をお過ごしください。