YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

4強の壁は厚く…本気のスペインは強かった

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

いやあ、残念。

私の「イチオシ」男子サッカー日本代表が準決勝でスペインと対戦し、延長戦の末に0-1で負けてしまいました。

サッカー解説者として、今回の日本チームを「史上最強チーム」と分析し、「金メダル獲得!」という予想を再三、このブログやYouTubeで発信して来ましたが、残念ながらその予想は実現しませんでした。申し訳ございませんでした。

ということで、今日は、試合の振り返りについては、新聞その他のメディアに譲り、ここでは、私自身の展望の甘さと準決勝を終えての日本代表・日本サッカー界の現状と課題についてお話しします。

まず、私の展望の甘さについてです。

以前、このブログで次のように書きました。

 

 サッカー界のいわゆる「列強国」と言われる国のほとんどは、「欧州勢」と「南米勢」です。その二つの大陸でフル代表が競い合う「ヨーロッパ選手権」と「南米選手権」が行われており、それらの国の五輪代表には、日本の吉田、酒井、遠藤のような「フル代表でも中心であるオーバーエイジ」や久保、堂安のような「フル代表でも中心になるU-24の選手」が出場出来ません。 (以前のブログより抜粋)

 

この東京五輪に臨むスペイン代表については、この私の展望は全く当てはまっていませんでした。

このチームのメンバーのうち6人は、6月から7月上旬にかけて行われた「ヨーロッパ選手権」に出場した選手でしたし、GK、二人のセンターバック、そして、18歳で「スペインの若き至宝」と言われるペドリなどは、フル代表でもバリバリのレギュラー選手でした。また、日本戦で途中出場し、見事な決勝ゴールを決めたアセンシオは、スペインの強豪レアルマドリー所属の選手で、世界最高峰の戦いと言われる「UEFAチャンピオンズリーグ」での優勝経験もあります。今回のチームには「オーバーエイジ枠」で参加しています。

これが、私の展望の甘さでした。

そんなスペインに対して、日本代表は、試合の主導権を握られつつも、GK谷の好セーブやDF吉田、板倉の体を投げ出してのシュートブロックなどもあり、粘り強い守備をみせてよく戦ったと思います。

しかし、そんな試合を終わらせたのは、前述のアセンシオでした。彼の年齢は25歳。レアルマドリー所属。20歳からレアルでレギュラーポジションをつかみ、様々な「ビッグゲーム」での経験も積んでいます。そんな彼が途中出場なのです。

そして、誰もが「PK戦」を意識し始めた延長後半10分。スローインからつないだボールを受けてペナルティーエリアに侵入した彼は、振り向きざまに左足を振り抜きました。そのボールが見事にネットに突き刺さり、決勝のゴールとなりました。本当に一瞬のスキをつかれた形での失点です。

日本代表は、本当に良く戦いました。そんな彼らには、心から祝福の拍手を送りたいと思います。

ただ、今後の日本サッカー界の発展を祈り、自らもそこに寄与していくためにもあえて、課題を二つ挙げます。

一つ目は、「世界で戦う経験値の差」です。

日本のエース久保、堂安ともにすばらしい選手です。ただ、欧州リーグの現在地では、決勝ゴールを奪われたアセンシオや若手のホープ・ペドリなどと比べると大きく水をあけられている現実があります。今後、彼らがアセンシオやペドリが所属しているレアルマドリーバルセロナといった「欧州のビッグクラブ」で中心選手として活躍したうえで日本代表に帰ってきてくれた時、はじめて昨日のスペインのような「本気の列強国」と対等に戦えるようになるのだと思います。

二つ目は、チーム一丸となって戦ったとは思いますが、少しだけ垣間見えた「必死さの欠如」です。ここで比較したいのは、女子ソフトボール日本代表です。

ご存じの通り、女子ソフトボール代表は、17年前の北京オリンピックに続き、今大会でも見事に金メダルを獲得しました。絶対的なエース上野投手に加えて、若手の後藤選手の台頭などチーム力の向上はもちろんみられているのですが、それでも「ソフトボール界の絶対王者」といわれるアメリカを破って金メダルを獲得するには、「チーム一丸となっての必死さ」が欠かせなかったと感じました。

このソフトボール女子との違いを感じたのは、時々テレビに映されるベンチでの選手たちの表情でした。ソフトボールの選手たちが全員で前のめりになり、必死にグラウンドの選手たちに声をかけていたに対して、サッカーでは選手同士で談笑している姿もみられました。もちろん、種目の違い、男女の違いもあり、それを非難するわけではありません。しかし、昨日のような劣勢の試合、まさに「死闘」を勝ちきるには、欠かすことの出来ない姿勢だったのも事実ではないでしょうか。

とは言え、今回の日本代表が素晴らしいチームであることは間違いありません。最後の力を振り絞って、チーム一丸となり、必死の姿勢で三位決定戦に臨み、銅メダルを獲得してくれることを信じましょう。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。週の中日の水曜日。素敵な一日をお過ごしください。