YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

ブラジル圧巻の強さ ブラインドサッカーで日本完敗

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

さて、前日にフランスから「パラリンピック初出場、初勝利!」をあげて、意気揚々と王者ブラジルに挑んだブラインドサッカー日本代表。しかし、結果は0-4の完敗。地力の差を見せつけられました。

今日は、そのブラジルの強さを分析します。

私が感じたブラジルの強さは3つあります。

まず一つ目は、何と言っても「足に吸い付くようなやわらかいボールタッチによるドリブル」です。

かつて、ブラジルのサッカー関係者から、

「ブラジル人は、サッカーボールとともに生まれてくる。」

と言われたことがあります。この言葉からブラジルでは、あらゆる子供たちが幼いころからボールを足で扱ってきているのだと思います。

対する日本代表選手の中には、

「ダイエットのつもりでブラインドサッカーを始めました。まさか自分が日本代表としてパラリンピックに出るなんて夢にも思っていませんでした。」

という選手もいます。これはこれで、ここまで積み重ねてきた努力に心からの拍手を送りたいのですが、この「サッカーに関する社会環境の違い」が、日本人選手とブラジル人選手の足元の技術の差になっていることは明らかです。

二つ目は、「シュートの正確性とスピード」です。

ブラインドサッカーでは、GKのみが「晴眼者」。「視力のある人」がアイマスクを着用せずに出場します。

日本代表のGK佐藤大介選手もピッチに立つ日本選手の中での唯一の「晴眼者」です。そして、昨日のブラジル戦では「好セーブ」を連発。日本代表のピンチを数多く救うプレーをみせてくれました。

しかし、4つのゴールを奪われた場面でのブラジルチームのシュートは、どれも「コース」「スピード」ともに素晴らしく、GKにとっては、いわゆる「ノーチャンス」。どんなに頑張っても防ぐことの出来ないシュートでした。

そして、三つ目。これが最大の「驚き」であり、ブラジルの強さの最大の「特徴」だと思います。

それは「両ワイドに開いた選手への正確なパス」です。

視覚情報のないブラインドサッカーの選手たちにとって、自分の足元にボールを置いて進む「ドリブル」に対して、見えない角度と距離にいる味方に通す「パス」の技術は数倍難易度が高いと言われています。

それをブラジル人選手たちは、逆サイドにいる味方に簡単にパスを通してしまうのです。

これをされてしまうと「守備ブロックを作り、それをスライドさせる」ことを守備の基本戦術としている日本にとっては、かなり苦しい戦況となります。それは、「スライド」しなければならない距離が長くなってしまうからです。

このことが、シュート数21本対1本という圧倒的な差がつく試合内容につながってしまいました。

ブラジルの強さは圧倒的ですが、次に対戦した時の勝機がないわけではありません。

どすれば、次に対戦した時に日本代表はブラジルに勝機を見つけられるのか?

それは、日本代表が予選リーグを勝ち上がり、決勝トーナメントでブラジルと再び対戦するときにお話ししたいと思います。

何はともあれ、日本代表のすべてがかかるのは、今日の中国戦です。中国は2019年のアジア選手権で優勝したアジア王者です。

しかい、エースストライカーである黒田智成選手(熊本県八代市出身)は、

「中国と戦えるだけの力を磨いてきた。中国に勝って、決勝トーナメントでもう一度ブラジルと対戦する。」

と意気込んでいます。

この黒田選手をはじめとする選手たい、指導者の皆さん、そして、日本の障がい者サッカーに関わってきたすべての皆さんの「思い」が結実することを信じて、私たちも全力で声援を送りましょう!

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。皆さんにとって、そして、ブラインドサッカー日本代表チームにとって、最高の火曜日となりますように。