YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

WEリーグ開幕から一週間 楽しみな教え子の活躍!

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

さて、皆さん、「WEリーグ」ってご存じですか?

「WEリーグ」とは、日本初の女子プロサッカーリーグ。つまり、「Jリーグ」の女子サッカーバージョンです。

2021年9月12日に開幕しました。

WEリーグの特徴は、三つあります。

一つ目は、日本のスポーツ史上初の全選手がプロとしてプレーする女子のリーグ戦ということです。

これまでも女子バレーボールの「Vリーグ」や女子バスケットボールの「Wリーグ」などがありましたが、いずれも企業がスポンサーとなっているチームが参加しており、選手の中にはそれらの企業の社員という選手も含まれていました。

今回開幕した女子サッカーの「WEリーグ」は、「Jリーグ」と同様に全チームが地域密着型のチームであり、チーム名に企業名は入っていません。

二つ目は、日本サッカー界初の「秋~春制シーズン」で戦うリーグ戦であるということです。

ヨーロッパなどの主要リーグは、そのほとんどが9月にシーズンが始まり、5月に終わるという「秋~春制シーズン」です。日本のサッカー界でも、「Jリーグ」をこれに合わせようという動きは何回もあったのですが、東北や北海道など雪で戦えない時期にリーグ戦をするのは、その地域のチームに不利になるなどの理由からなかなか実現しませんでした。

そんな中で、初めてこれに挑戦するのが「WEリーグ」です。

三つ目は、「LGBTs」などの性的マイノリティーの人たちの人権に対する啓発活動にリーグとして力を入れていくという点です。

先日まで日本で開催されていた東京オリンピックにも183人の性的マイノリティーの人たちが参加していました。

また、男子水泳板飛び込みの金メダリストとなった英国の選手が「自分はゲイである」とカミングアウトしたことが大きく報じられるなど注目を集めました。

「WEリーグ」の選手の中にもトランスジェンダーであることをカミングアウトした上でプレーしている選手たちが何人かいて、この選手たちを中心に様々な啓発活動をリーグ全体として行っていきます。

まさに、「多様性の時代」を象徴するプロスポーツリーグとして盛り上がっていくことを期待しています。

さて、そんな「WEリーグ」の記念すべき開幕戦で先発メンバーとして、ピッチに立った教え子がいます。

長野パルセイロ・レディースのMF住永楽夢(すみなが らむ)選手です。

彼女は、熊本市の京陵中学校の出身。中学時代はサッカー部に所属し、男子選手と一緒にプレーしていました。その当時、私は京陵中学校のサッカー部の監督をしていましたので、中学1年生から3年生までの3年間、監督として彼女を指導させてもらいました。

中学時代から、

「将来は、『なでしこジャパン』の一員となる!」

という夢を抱いていた彼女が進学先として選んだのは、東京の十文字高校でした。高校女子サッカー界の名門校です。

彼女の夢を支えることを決意されたご両親は、地元熊本で事業をされているお父さんを熊本に残し、お母さんと彼女の二人で上京。高校時代は、お母さんと二人暮らしでサッカーに没頭しました。

努力を重ねて、3年生の時には、レギュラーポジションを獲得。全国女子高校サッカー選手権のピッチに立つことが出来ました。

その後、日本体育大学に進学し、サッカーを続けます。

大学でも1・2年時には、多少の出場機会を得るものの3年時には、後輩たちの台頭もあり、レギュラーポジションを失ってしまいます。

その頃、私は京陵中学校で校長をしていました。彼女は、中学校を卒業後も熊本に帰省するたびに私のもとを訪ねてくれます。

京陵中の校長室で久しぶりに再会した彼女に、

「大学卒業後の進路はどうするの?」

と尋ねると、

「サッカーは好きだけど、小さいころからずっと続けてきて、今は『やり切ったかな』という感じがするので、卒業後は海上保安庁への就職を目指すつもりです!」

と笑顔で語ってくれました。

その言葉を聞いて、一抹の寂しさを感じたものの、彼女が中学生時代から今までどれだけの努力を重ねてきたかを知っていた私は、

「そっかー。今度は『女性版海猿』を目指すんだね。」

と笑顔で応えました。

そして、

「とりあえず、来年は『サッカーラストイヤー』の覚悟で、精一杯サッカーをやり切っておいで!」

と話して、再び彼女を東京へと送り出しました。

そして、迎えた大学4年生のシーズン。日本体育大学女子サッカー部の監督に就任したのは、元U-17日本女子代表の監督で私がA級ジェネラルコーチライセンスを取得したときの同期であり、友人の楠瀬直木氏(現浦和レッズ・レディース監督)でした。

楠瀬監督の指導を受けた彼女の成長曲線は再び上昇カーブを描き始めます。

そして、関東インカレ優勝。優秀選手に選出されるなどの実績をあげ、ついに、長野パルセイロ・レディースに入団。プロ選手の座をつかみました。

京陵中学校サッカー部でもモットーにしていた「一生懸命はカッコイイ!」を今も実践し続ける楽夢ちゃん。

これから、さらに活躍してくれることを信じて、全力で応援していきます!

なお、昨年末に千原台高校の校長室を訪ねてくれた時のインタビューをYouTubeで公開しています。

こちらもぜひご覧ください。

https://youtu.be/G-E0Rco-z7Y

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。素敵な土曜日をお過ごしください。