YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

日本ハム新庄監督に期待! 監督に関する一考察(後編)

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

さて、今日のタイトルは、「日本ハム新庄監督に期待! 監督に関する一考察(後編)」です。

プロ野球日本ハムの新監督に新庄剛志氏の就任が決まりました。そのことから私の「監督論」を話し始めたのですが、一昨日のブログ「前編」では、私の「監督歴」の前半のお話しだけで終わってしまったので、今日はその続きをお話しします。

「前編」でお話しした通り、私の「監督生活」は、「小学校のサッカー部」の「監督」から始まりました。

当時は、「若さ」と「経験主義」に任せての指導に頼っていて、今考えると当時の選手たちに申し訳なく思います。

そんな私の大きな「転機」になったのが、社会人サッカーチームで当時、九州リーグに属していた「熊本教員団」での監督就任でした。

大学を卒業して以来、このチームで選手としてプレーし、GKとして2回の国体出場や全国社会人サッカー選手権へ出場しました。

そのチームで現役を退くとともに、監督に就任したわけですが、このチームでプレーする選手たちの多くは、筑波大、大阪体育大、福岡大など全国レベルで活躍している大学の出身者であり、私の選手経験をはるかに上回る「選手としての実績」を持ってチームに入団しています。

また、「教員団」というチーム名からも分かるように、そのメンバーのほとんどが「教員」であり、各小中高校でサッカー部の「監督」としてチームを指揮しています。ですから、そのそれぞれに、それぞれの「サッカー観」があります。

そのような選手たちを「監督」として率いるためには、彼らを、

「南さんが言うのなら・・・」

と納得させる何かが必要でした。

そこで、私が取り組んだのは、

「誰よりも、世界のトッププレイヤーの試合をたくさん観る」

ということでした。

当時、中田英寿が日本からイタリアへ渡ったことをきっかけにして、WOWOWやスカパーなどと契約すれば、イングランドのプレミアムリーグ、イタリアのセリエA、スペインのリーガエスパニョーラなどの試合がどれだけでも観られる時代になっていました。

そこで、私は、それらの有料放送と契約をし、とにかく、世界のサッカーを観まくりました。

もちろん、ただ、観るのではなく、そのチームの監督になったつもりで、ノートに気づいたことを記録しながら観ます。

監督をしていた5年間で観た試合は、約800試合。記録したノートは15冊になりました。

このことにより、選手と話すときに、

「ヨーロッパのトップチームでは・・・」

ということを前提に話すことが出来るようになり、選手たちからの「納得」を得ることが出来るようになっていきました。

また、この頃の経験が、現在の「サッカー解説」の仕事にも大きくプラスになっています。

あと一つ、大きな転機になったことがあります。それは、「日本サッカー協会公認B級コーチライセンス」の取得です。

ここで、サッカーの指導を「科学的に学ぶ」ことが出来ました。そして、その有益性を感じた私は、その後、「GKB級コーチ」、「ジェネラルA級コーチ」「GKA級コーチ」のライセンスを取得し、現在に至ります。

「熊本教員団」の監督をそろそろ交代するというタイミングで、中学校へと異動することになり、今度は「中学校のサッカー部」で「監督」をすることになりました。

数年間は、「中学校のサッカー部」の「監督」として「打倒、ルーテル学院中学校!」に燃えました。

当時のルーテル学院中学校は、全国大会で2連覇を果たすほどの強豪チームであり、何度対戦しても勝つことが出来ませんでした。

それと同時に関わることが多くなったのが、「トレセン活動」です。

おもに「GKコーチ」として活動することが多かった私に、

「お前も、一回は熊本県トレセンの『監督』を経験しておけ。」

と言って、そのチャンスをくださったのは、当時、トレセンの責任者をされていた甲斐卓さん(現熊本県サッカー協会技術委員長)でした。

というわけで、3年間だけ「熊本県トレセンチーム(選抜チーム)」の「監督」をさせてもらいました。

選手たちが中学校に上がってくる前にセレクションを行い、その選手たちが3年生まで「監督」として指導します。

その3年間、「熊本県トレセンチーム」に属した選手たちは、すばらしいタレント揃いでした。

上村周平(ロアッソ熊本)、嶋田慎太郎(ツェーゲン金沢)、松田天馬京都パープルサンガ)などをはじめとする7名の選手たちが、その後Jリーガーとなり、今も活躍してくれています。

しかし、当時の私はそんな「タレント揃い」のチームを預かりながら、なかなかチームを勝たせることが出来ませんでした。「

トレセンチーム」が臨む大会は、「九州トレセン大会」が主で、九州各県のトレセンチームで優勝を競います。

九州8県で順位を競うわけですが、5~7位が定位置という情けない結果でした。

そこで、経験したのが「ネットでの誹謗中傷」です。

ネットの掲示板に、

「監督が無能だから、タレントがいても勝てない!」

「選考の仕方が悪い!」

「監督をすぐに交代させろ!」

などの書き込みが溢れました。

熊本県の「中学生代表」ですら、この状況です。日本代表を率いる森保監督の辛さは如何ばかりかと・・・

こういう経験を重ねてきた中で、私が考える「監督論」。つまり、監督に必要とされる力は、ずばり、

「選手を納得させる力」

です。

この「納得させる力」を支えるものには、色々なものがあり、それは、それぞれの監督によって違います。

私の場合は、「桁違いのサッカー観戦の数」と「コーチングライセンスコースでの勉強」によって、「納得させる力」を得ようとしてきました。

ここで、ようやく新庄監督に戻りますが、私は、日本ハムの新監督となる新庄さんにもこの「納得させる力」が備わっているように思います。

それをどのような形で私たちに見せてくれるのか、プロ野球界の「監督」にも注目をし、私自身の「監督論」もさらに磨いていきたいと思います。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日一日が、皆さんにとって素敵な一日になりますように。