どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
「これは、厳しいなあー。このまま負け越して、角界からも引退してしまうのでは・・・」
大相撲春場所で初日から4連敗していた時の大関正代に対する私の心の声です。
その後も5日目に今場所初白星を挙げるも、6日目には玉鷲に完敗。6日目を終えて1勝5敗と絶望的な状況でした。
しかし、ここから見事に立ち直り、7日目に明生をくだすと、そこから12日目に大関貴景勝に勝つまで破竹の6連勝!
星を7勝5敗とし、「カド番脱出」に王手とします。
続く13日目は、優勝争いをしていた琴ノ若に敗れるものの、14日目、千秋楽と同じく優勝争いのトップを走っていた高安、若隆景を連破!
最後に「大関の意地」をみせて、9勝6敗で春場所を終えました。
中日あたりだったでしょうか。客席に、
「正代直也の『直』は、『立ち直る』の『直』。がんばれ正代!」
と書いた横断幕が掲げられていました。
まさに、この言葉の通りに立ち直ってくれて、ほっと胸をなでおろした春場所でした。
熊本県宇土市出身。宇土鶴城中→熊本農業高校→東農大と進み、その後、角界入り。
ちなみに、正代関のお母様は千原台高校の前身である「熊本市立商業高校」のご出身で本校の卒業生です。
来場所こそは、序盤から勝ち星を重ね、正代関の活躍をこのブログでたくさん紹介できるような場所にしてほしいと思います。
一方、優勝争いを引っ張ったのは、元大関で現在は前頭7枚目の高安と新関脇の若隆景でした。
高安は初日から10日目まで破竹の10連勝。
一方の若隆景も10日目を終えて、9勝1敗と好成績で終盤戦に入ります。
そして、迎えた11日目。優勝争いの先頭を争う2人の「直接対決」となりました。
この一番を制したのは若隆景。11日目を終えて、高安と若隆景の2人がともに10勝1敗でトップに並ぶ展開となります。
その後、「優勝争い」の硬さが出たのか、前述の通り大関正代にともに敗れるなど4番中2番を落とし、12勝3敗で本割を終えることになりました。
優勝の行方は「優勝決定戦」へともつれこみます。
若隆景、高安ともに本割で黒星を喫しての「優勝決定戦」です。
その「悪い流れ」を断ち切り、土俵際まで押し込まれるも、起死回生の上手出し投げで勝利をつかんだのは新関脇の若隆景でした。
若隆景は初優勝。新関脇で賜杯を抱いたのは、後に大横綱となる「双葉山」以来となる快挙を達成しました。
若隆景の相撲をみて、私が思い出すのは昭和の大横綱、「ウルフ」と言われた横綱千代の富士の相撲です。
身長はそう高くないものの、鍛え上げられた筋肉に身を包み、強烈なおっつけを武器に前に出る力強い相撲は、往年の千代の富士の強さと重なります。
一方の高安は、13日目まで単独トップを走り、残り3日で3連敗して優勝を逃がした昨年の春場所に続き、あと一歩のところで賜杯を逃してしまいました。
大関陥落後も地道に努力を積み重ね、何とか幕内上位に踏みとどまり、度々優勝争いに顔を出す32歳の高安。ここで諦めることなく、「初の賜杯」と「大関復帰」を目標に掲げ、さらなる活躍を期待したいと思います。
2週間の春場所が終わり、今日から「寂しい夕方」となりますが、5月8日に初日を迎える夏場所での正代をはじめとする各力士の活躍を楽しみにして「相撲のない1か月半」を過ごしたいと思います。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日一日が、あなたにとって素敵な一日になりますように