YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

朝井リョウ著 「星やどりのの声」(角川文庫)を読みました!

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

今日のタイトルは、「朝井リョウ著 『星やどりのの声』(角川文庫)を読みました!」です。

ということで、今日は久しぶりに最近読んだ小説のご紹介をしていきたいと思います。

最近といっても、本書は、実はつい先ほど「読了」したばかりの「読みたてほやほや」の一冊です。

まずは、著者の朝井リョウさんについてです。

朝井リョウ(あさい りょう)

1989年岐阜県生まれ。早稲田大学在学中の2009年、『桐島、部活やめるってよ』で、第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。13年『何者』で、第148回直木賞を受賞。同年『世界地図の下書き』で第29回坪田譲治文学賞を受賞。他著作に『チア男子!!』『もう一度生まれる』『少女は卒業しない』『スペードの3』などがある。(本書より引用)

私が著者の名前を初めて聞いたのは、デビュー作の『桐島、部活やめるってよ』が映画化された時でした。

その時は、

「長ったらしいタイトルだなあ。」

「タイトルからして、『青春小説』なんだろうなあ。」

「50代のおっさんの読む本じゃあなさそうだな。」

というように感じていたと記憶しています。

その私が、なぜ本書を読むに至ったのか?

実は、本書は私が読んだ著者の本としては3作目となります。

はじめに読んだのは、著者の最新作『正欲』(新潮社)でした。

「人とは違う独特な『性的指向』を持つ人物が描かれている。」という内容の「書評」を読み、「LGBTs人権課題」についての講演活動のプラスになるかもしれないと思って購入したのが最初でした。

次に読んだのは『何者』(新潮文庫)です。

この本を手に取った理由は、二つあります。

一つ目は、「一冊目の『正欲』を読んで、朝井リョウという作家の他の作品を読んでみたくなった」ということです。

そして、あと一つは「直木賞受賞作品である」ということです。

『正欲』、『何者』ともに話題作ですので、どちらも私にとってはとても印象に残る作品でした。

ただ、それ以上に私が心を揺さぶられたのが、本書『星やどりの声』です。

ネタバレになってはいけないので、あらすじを本書の「背表紙」から引用しますね。

「東京ではない海の見える町で、喫茶店『星やどり』を営む早坂家。三男三女母ひとり。亡き父が残した名物のビーフシチューの香りに包まれた生活には、慎ましやかながらも確かな幸せがあった。しかし、常連客のおじいちゃんが店に姿をみせなくなった頃から、家族に少しずつ変化が。各々が葛藤を抱え息苦しくなる早坂家に、父が仕掛けた奇跡が降りそそぐとき、一家は家族を卒業する。著者が学生最後の夏に描いた感動の物語。」

この小説全体は、六章に分かれ、一章に一人ずつ子どもたちの名が与えられています。長男 光彦、三男 真歩、二女 小春、二男 凌馬、三女 るり、長女 琴美。

その各々の視点で物語が紡がれていき、「長女 琴美」の章を読み進める中で大きな感動に包まれました。

実は「感動のドラマ」と言われる作品があまり好きではない私ですが、この作品については、読後の「爽やかな感動」に酔いしれることが出来ました。

さらに驚くのが、本書が「著者が学生最後の夏に描いた」小説であるという点です。

私が過ごした「学生最後の夏」を思い起こすと、いかに自分が「ぼーっと生きてきたか」を思い知らされて、恥ずかしい限りです。

この作品を読んで、ますます朝井リョウという小説家への興味が湧いてきました。

今日の仕事が終わったら、行きつけの本屋さんに立ち寄り、朝井リョウさんの他の作品を購入して帰ることを強く心に誓った朝です。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日一日が、あなたにとって素敵な一日になりますように。