YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

高校の新科目「歴史総合」をご存知ですか?(その2)

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

今日のブログのタイトルは、高校の新科目「歴史総合」をご存知ですか?(その2)です。(その1)を書いてからずいぶん間があいてしまいましたが、ご容赦ください。

(その1)では、「歴史総合」とはどんな科目なのかをお話ししました。

振返りを兼ねて、教科書(高等学校 歴史総合:第一学習社)の目次をもう一度示します。

第1部 歴史の扉

 ① 歴史と私たち

 ② 歴史の特質と資料

第2部 近現代の世界と日本

 第1章 近代化と私たち

  第1節 18世紀のアジアの繁栄

  第2節 産業革命と市民革命

  第3節 イギリスの繁栄と国民国家の基本

  第4節 アジア諸国の変貌と日本の開国

  第5節 帝国主義の発展

 第2章 国際秩序の変化や大衆化と私たち

  第1節 第一次世界大戦大衆社会

  第2節 経済危機と第二次世界大戦

  第3節 第二次世界大戦の戦後処理と新たな国際秩序の形成

 第3章 グローバル化と私たち

  第1節 冷戦と脱植民地化・第三世界の台頭

  第2節 国際秩序の変容と21世紀の世界

この目次からも分かるように、「歴史総合」の特徴は二つです。

一つ目は、「18世紀から現代までの『近現代史』に絞った内容になっている」ということです。

そして、もう一つは、「世界で起きた出来事と日本で起きた出来事をリンクして学ぶ」ということです。

この点については(その1)でお話ししました。

今日は、教科書の中身に触れていきます。

第1編の前に「歴史総合を学ぶみなさんへ」というページがあります。

まずは、このページの内容を引用します。

「みなさんは、『時代の子』という表現を知っているでしょうか。私たちのものの見方や考え方は、自分の生きている時代や環境に大きく左右されるというほどの意味です。私たちの住む現代社会は、近代化や大衆化、そして何より、グローバル化の時代だといわれます。一言でいえばそれは、『変化の時代』にほかなりません。刻々と変化する私たちの現代においては、もはや日本から出ようが出まいが、大量の情報が世界中で瞬時に行き来するこうした時代の影響を受けずに過ごすことは不可能になっています。

~中略~

 私たちの時代や環境の制約は何だろうと考えることで、世界や日本に対する見方を柔らかく広げ、私たち自身のものの見方や考え方の限界がどこにあるのかを、想像することが出来るはずです。そして、それには、過去の時代や環境にどのような特徴があったのかを理解することが大きな助けになります。歴史を学ぶことの意義は、そこにあります。   

~中略~

一人の人間が一つの視点ではなく、多様な視点で世の中を見つめることが出来なければ、未来への見通しが持てなくなってしまいます。本書での歴史学習で、みなさんがそのような複眼的な視点を身につけることを願っています。」

ここで述べられている「歴史を学ぶ意義」は、私もまったく同感です。

そして、最後に書かれている「複眼的視点を身につける」というのは、これからの時代を生きていく中で大変重要な要素だと感じます。

このような見方や考え方を身につけるためには、「講義形式の授業展開」ではいけません。

この教科書では、各章ごとに、

①各章を学習する前に

・学習する内容に関する資料の提示

・中学校までの学習をふまえて資料を見比べ、そこから変化や違いを感じ取る

②各章の学習

・①で見出した変化や違いを意識しながら学習を進める

③学習をふまえ課題を考察する

・学習したことをもとに、現代的な諸課題について考察する

という構成がされています。

千原台高校では2年生で「歴史総合」を学ぶことにしています。

この①→②→③のサイクルを重ねていく中で、一人一人の「複眼的な視点」が育っていくような授業を展開していきたいと思います。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日一日が、あなたにとって素敵な一日になりますように。