どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
「よかよか。
全部そのままで。
それが君です。」
昨日(8月18日)行われた熊本市4校人権研修会の講師として講話をいただいた学校法人立花学園 立花高等学校 校長 斎藤眞人さんが、1枚目のスライドで提示された言葉です。
熊本市4校人権研修会とは、熊本市立の千原台高校、必由館高校、平成さくら支援学校、総合ビジネス専門学校の4校に勤務する教職員が一堂に会して毎年行っている人権研修会です。
この4校の共通点は、「生徒・学生が高校生年代以上である」という点です。
今日は、この話題をお話しします。よろしくお付き合いください。
講師として来ていただいた斎藤先生が校長を務めておられる立花高校は、福岡市東区になる私立の高校です。
斎藤先生が示された「立花高校の概要」は、以下の通りです。
・ 全日制・単位制の高等学校
・ 令和5年度生徒数 539名(学則定員 450名)
・ 教職員数 70名
・ チーム担任制導入(3名で2クラスを担任)
・ 少人数学級(25名~30名)
そして、何よりの特徴が「生徒の80%が不登校経験者」という点です。
さらに、斎藤先生は、
「不登校を解決するのではなく、安心して不登校のままでいられる学校」
と話されました。
ここに、立花高校の最大の素晴らしさがあると私は考えています。
普通(この言葉自体に大きな課題があるのですが)、学校、そして、教職員は、
「不登校をなくそう。何とか生徒が毎日通える学校にしたい」
という方向に全精力を注ぎます。
しかし、立花高校は違うのです。
もちろん、立花高校の先生方が「手抜き」をしておられわけではありません。
立花高校の先生方は、
「『寛容の精神が醸成される社会』の実現」に向けて、日々、全力で教育に当たられています。
その日々の教育活動で起きるエピソードを通して、私たちが「考えておくべきこと」、「知っておくべきこと」を沢山ご教唆いただきました。
立花高校で日々起きているドラマを私がここで代弁することは大変僭越なので、もし、興味がおありの方は、立花高校のHPをご覧ください。
私が今回の講話で「これは、大切!」と共感したキーワードだけをお伝えします。
一つ目は、
「『自由』とセットになるべき言葉は『責任』ではない。もっとも大切なことは『自由の相互承認(苫野一徳氏の言葉)』である。」
というお話しでした。熊本大学で教鞭をとられている苫野一徳氏がたびたび使われる「自由の相互承認」という言葉は、私も知ってはいましたが、今回、斎藤先生のお話を聴いたことで、さらに、その真の意味を理解することができました。
あと一つは、
「『介入型支援』から、『伴走型支援』へ」
という話です。
例えとして、このようなお話をされました。
「入試の日に、どうしても家を出られないという子どもがいて、保護者から連絡があると、以前の立花高校は、数名の職員で迎えに行っていました。これが『介入型支援』です。
これが、うまくいくと我々教師は、非常にうれしいわけです。
ただ、だんだん『これは、違うのではないか』と思うようになりました。」
そして、現在、目指しているのが「伴走型支援」であるというお話でした。
斎藤先生の講話をお聞きしたあとに、グループディスカッションを行い、最後に再度、斎藤先生から「まとめ」をいただいて、会を閉じました。
これからの時代の教育に必要な要素をたくさん学ばせていただいた素晴らしい研修会となりました。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日一日が、あなたにとって素敵な一日になりますように。