どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。
さて、今日のテーマは「若さの素晴らしさ」です。
千原台高校に今、4名の教育実習生が来ています。それぞれの大学で実習期間が違い、3名は3週間、1名は4週間ですので、4名中3名の教育実習が昨日で終わりました。
4名の担当教科は、いずれも保健体育科。高校時代には、男子ハンドボール部、女子駅伝部、野球部に所属し全国レベルで活躍した生徒であり、現在もそれぞれの大学で選手として活躍しています。
ちなみに、本校の男子ハンドボール部は、過去に日本一にもなっている強豪チーム。女子駅伝は、現在、熊本県大会3連覇中で3年連続で都大路を走っています。野球部からは、一昨年、プロ野球選手を輩出しました。ソフトバンクホークスの荒木翔太選手です。
このような場所で活躍してきたスポーツマン、スポーツウーマンである実習生たちは、いずれも好青年です。
今の時点では、全員が「教師になりたい!」と強く思っているわけではありません。ハンドボールの実業団選手、スポーツトレーナー、消防士、公務員など現在の目標は、それぞれなのだそうです。しかし、「それらの職業を経て、教師になる」という選択肢を持ちたくて、教員免許の取得を目指しています。
このような形の実習生が多くなっているのは、この10年ほどの傾向です。教育現場にいる私としては、残念に思いますが、これから長い人生を生きていく彼らのライフプランとしては、アリだと思います。
そのような彼らのうちの3名が昨日実習を終えました。教育実習では、「研究授業」というものを行うことがマストになっています。これが、実習生にとっては一番の「難関」です。研究授業をするためには、「指導案」を作成しないといけません。さらに「研究授業」には、多くの先生方が参観に来られます。もちろん、私も観に行きます。これは、相当のプレッシャーです。多くの実習生が睡眠時間を削られて、疲労困憊しながら、これを乗り越えていきます。しかも、保健体育以外の実習生だと自分の担当教科の「研究授業」を1時間行うのが普通ですが、保健体育の実習生は「体育実技」と「保健分野」の2時間の研究授業をしなくてはいけません。
そのような中で、3名の実習生が無事に2回の研究授業という難関を乗り越えて、昨日、教育実習を終えました。最後に3人そろって校長室に挨拶に来てくれましたので、
「この3週間、どうでしたか?」
と感想を聞いてみました。
「研究授業はきつかったです。でも、無事に終えることが出来て、先生方からも色々なアドバイスをいただいて、今は、達成感があります。」
「今すぐには、なれないかもしれないけど、いつか教師になってみたいという気持ちがわいてきました。」
「この学校の生徒として3年間を過ごさせてもらったのですが、今回、先生という立場を経験させていただいて、自分がいかに恵まれていたか、先生たちがどんな思いで自分たちに接してくれていたのか、その幸せさをあらためて実感しました。」
さすがは、本校の卒業生たち。どの感想も秀逸です!
今、彼らの脳には報酬ホルモンであるドーパミンがたくさん分泌されているはずです。ドーパミンは、何かをやり切ったという達成感を感じた時に分泌されます。そして、そのハードルが高いものであるほど、多くのドーパミンが分泌されて大きな喜びを感じます。そして、また、その喜びを感じたくて次の難題にチャレンジしたくなります。これを繰り返すことを「強化学習」と言います。一流のスポーツ選手が、一般の方々からみると想像できないほどのハードなトレーニングに自ら取り組み続けるのは、この「強化学習」を繰り返いしているのです。
今回、本校で教育実習を経験した若者たちは、それぞれのスポーツとは違う分野での「強化学習」を体験しました。これは、必ずや彼らのこれからの人生の糧となるはずです。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。最高の土曜日をお過ごしください。