どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
今日のブログのタイトルは、
「自分の頭で考える 日本の論点」出口治明著(幻冬舎新書)に学ぶ!(後編)
一昨日のブログでお話しした出口治明さんの著書から学んだことの続きです。
この本は、著者が「日本の論点」としてあげた22のテーマについて「基礎知識」と題して現状を解説し、「自分の頭で考える」と題して著者自身の考えを述べるという構成になっています。
この「22の論点」は何かという点については、(前編)でお話ししていますので、そちらをご参照ください。
(前編)の最後に、
「必ず読んで欲しいのが、『[付録]自分の頭で考えるための10のヒント』です。
なぜ、この章を読むことが必須なのか?
この点については、後日、(後編)でお話ししますね。」
とお伝えしていました。
今日はこのことについてお話しします。
ずばり、その答えは…
「この章に、我々が『自分の頭で考える』ために必要なことが書かれているから」
です。
まずは、10のヒントを紹介します。
① タテ・ヨコで考える
② 算数、すなわち数字・ファクト・ロジックで考える
③ 外付けハードディスクを利用する
④ 問題を分解する「自分の箱」をいくつか持つ
⑤ 武器を持った「考える葦」になる
⑥ 自分の半径1メートル圏内の行動で世界は変えられると知る
⑦ 「人はみんな違って当たり前」だと考える
⑧ 人の真贋は言行一致か否かで見極める
⑨ 好き嫌いや全肯定・全否定で評価しない
⑩ 常識は徹底的に疑う
著者独特の表現も多く、これを見ただけは、「何のこっちゃ?」という感じだと思います。
詳細は本書をお読みいただきたいのですが、私がこの中で特に必要だと感じているのが、「① タテ・ヨコで考える」と「② 算数、すなわち数字・ファクト・ロジックで考える」の2点です。(著者も本書の中でこの2点が最も重要と述べています。)
②については、説明するまでもないと思います。
では、①の「タテ・ヨコ」とは何か?
それは、「タテ=歴史軸(歴史観)」「ヨコ=空間軸(世界観)」を意味しています。
つまり、判断するときは「目の前のことだけでなく、そのことに関する『歴史』を鑑みること」「目の前のことを『俯瞰的』にみてみること」が大切だということです。
私は、これを読んで、この「タテ・ヨコで考える」ことが出来ずに失敗しそうになった経験を思い出しました。
それは、約1年半前、高校改革の具体案を校内で話し合った時でした。私は「校長案」として独自案を提案し、職員間で話合いの場を持ちました。結局、私の提案理由を職員に説明し、3回に渡りアンケートをとった結果、職員に反対意見が多かったので、私は自分の案を引き下げ、当初の案の通りの改革を進めました。
その時には、「目の前の課題を解決するには、これしかない!」という思いで提案した「校長案」でしたが、今思えば「タテ・ヨコで考える」ことが不足していたと感じています。
私が、もし、そこで「校長案」をトップダウンで推し進めていたら、今回の「学校別倍率県内1位」という結果は出ていなかったと思います。
この経験を活かして、今後は常に「タテ・ヨコで考える」ことを意識して様々な「判断」をしていきます。
私のように「判断」が仕事の多くを占める方には、ぜひ読んでもらいたい一冊です。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日一日が、あなたにとって素敵な一日になりますように。