どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
その他にも「LGBT教育アドバイザー」としても活動していて、様々な皆さんからの講演会のご依頼を受けています。
今年は、年間20回ほどの開催になりそうなのですが、10月、11月は特にご依頼をいただけることが多く…、
先日(11月2日)には、「熊本市立2校合同PTA研修会」という会にお招きいただき、「『LGBTQ+人権課題』について」という演題でお話しさせていただきました。
今日は、その時に経験したことをお話しします。よろしくお付き合いください。
「熊本市立2校合同PTA研修会」というのは、その名の通り「熊本市立高校」である千原台高校と必由館高校の2校のPTAが、毎年、年に1度開催しているPTA主催の研修会です。
両校のPTAが持ち回りで主管していて、昨年度が必由館高校が主管校だったために、今年度は千原台高校のPTAが主管しています。
2カ月くらい前から、PTA活動を担当してもらっている総務部長の先生から、
「講演会のテーマを決めて、講師の依頼をしなければなりません。どなたか、お知り合いの方で講師をしていただける方がおられたたら、ご紹介ください。」
と相談を受け、
「わかりました。当たってみますね。」
と応えていました。
すると、それから数週間後…、
「昨日PTA役員会を開いたのですが、11月の合同研修会の講師について話し合いまして、『最も適任の方が、近くにいらっしゃいますよね。千原台の校長先生にLGBTについての講演をお願いできないでしょうか。』という話になりました。校長先生にお引き受けいただけると一番ありがたいのですが。」
と、総務部長から報告がありました。
「もちろん大丈夫ですよ。」
ということで、今年の「合同PTA研修会」の講師は、私自身が務めることになったのです。
当日ご参加いたいだのは、必由館高校、千原台高校のPTA役員の皆さんと担当の教職員など約40名でした。
講演では、いつものように「LGBTQ+についての基礎知識」と「『ソジハラ』、『アウティング』の防止」についてお話をし、講演は無事に終了。
「質疑応答」では、特に質問は出ませんでした。
そこで、「何かお話しされたいことがあれば、会の終了後もしばらく会場にいますので、遠慮なくお声掛けください。」と私から話をし、講演会は終了となりました。
会が終わると、数人の保護者の方が話をしに来ていただいたのですが、その中のお一人から、次のようなお話をいただきました。
「下の娘が今、高校生なのですが、10歳年上の姉がいまして、姉はトランスジェンダーです。今から10年ほど前に、高校生でしたので、ずいぶん苦労しました。」
「そうねんですね。もし差し支えなければ、どのような苦労をされたか教えていただけますか?」
「はい。一番苦労したのは、高校を卒業して就職した後でした。事務職として地元の企業に就職をしたのですが…。
その企業では、なかなか職場の理解を得られずに…。
結局は、仕事を辞めて、今は大阪に移って生活しています。熊本では、理解して働かせてくれる企業がなかったのです。」
「今は、性別適合手術と戸籍の変更も終え、シングルマザーだった女性のパートナーと巡り合い、その方と新しい家庭を築き、男性として、父親として生活をしています。」
「今日は、校長先生が私たちの立場に立ってお話ししていただき、本当にうれしかったです。」
「ただ、こういう話を企業の皆さんにも聴いてもらいたいといつも思っています。」
「お母さん、ありがとうございす。
私もまったく同感です。今後、企業の皆さんからもご依頼いただけるように活動を続けていきます。」
と決意をお話ししました。
このような皆さんの思いに応えるためにも、さらに、充実した活動が出来るように精進していきます!
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日一日が、あなたにとって素敵な一日になりますように。